朝方は時間外取引で米株価指数先物が軟調に推移したことを受け、売りが先行してスタート。
為替が円高に進むと、企業業績の下振れ懸念もあって売り圧力が強まり、海外勢が株価指数先物に売りを出して相場の重荷となった。前場終盤には前日比178円79銭安の2万406円52銭まで下押した。
米中貿易摩擦の先行きに不透明感が強いこともあり、様子見ムードが広がっている。
中国人民銀行(中央銀行)は7日、人民元の対ドル相場の基準値を前日よりも元安・ドル高水準に設定。節目の1ドル=7元を下回らなかったものの、中銀による緩やかな元安誘導に対してトランプ米大統領が強硬な姿勢をとるとの見方から、中国関連株に売りが出た。
半導体ウエハーのSUMCOが業績悪化のため株価が急落したことから、アドテストや東エレクなど半導体関連株に連想売りが広がった。
一方、この4日間で約1000円下落したとあって値頃感のある銘柄を中心に押し目買いが入ったことや、短期筋による先物の買い戻しも次第に増えたことで、大引けにかけて下げ渋った。
日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れに動くとの観測が浮上したことや、不動産や陸運など米中貿易摩擦の悪影響を受けにくい内需関連株が買われたことで相場全体を下支えした。
市場からは「米中貿易問題による景気減速を織り込んでいるが、米利下げ期待を背景に円高への警戒感は根強く日本株は買いにくい。ただ、EPS(1株利益)予想が下降気味とはいえ、水準自体は高く、いずれ相場は修正してくるだろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は小幅ながら4営業日ぶりに反発した。終値は前日比8.22ポイント高の1万3373.05だった。東証株価指数(TOPIX)も4日ぶりに反発し、0.70ポイント高の1499.93で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2396億円、売買高は12億8307万株だった。値下がり銘柄数は1060、値上がりは1003、変わらずは86だった。