欧米株の急落を受けて東京株式市場は朝から全面安となった。幅広い銘柄に売りが出て、日経平均は1日以来、約2週間ぶりに2万2000円を下回る場面があった。ただ、欧米株下落のきっかけとなった米国の新型コロナ感染者の増加について「日本株は、前日の下落である程度消化していた」とされ、12日の東京株株式市場では、売りが一巡すると値頃感などから買いも入った。
一方、これまでの上昇相場に乗り切れなかった個人投資家は押し目買いに動き、下値を支えた。個人に人気の高い、相場が下がると利益が出る弱気型上場投資信託(ETF)のポジション決済に伴う先物買いも膨らみ、後場は下げ幅を縮めた。日経平均の日中値幅は563円37銭と、約2カ月ぶりの大きさとなった。
市場からは「日経平均は200日移動平均線で下げ止まり、SQ値がサポートラインとして意識される。ボラティリティ(価格変動性)の高まりで売り物が出てくるとみられるが、押し目買いも入り、値固めに移行するのではないか」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日続落した。終値は前日比148.21ポイント安の1万4172.29だった。東証株価指数(TOPIX)も4日続落し、18.24ポイント安の1570.68で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆3246億円だった。株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出に伴う売買の影響で膨らんだ。
売買高は19億416万株だった。日経平均先物・オプション6月物のSQは2万2071円46銭だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1899と、全体の9割弱を占めた。値上がりは241、変わらずは29銘柄だった。