前週末の米国株上昇を受けて幅広い業種が買われた。ただ、森友学園問題の行方が心理的な重しになり、買い一巡後に伸び悩む銘柄が目立った。
米雇用統計を受けて主要株価指数が軒並み上昇した前週末の米国市場の流れを引き継ぎ、12日前場に日経平均株価は一時500円超上昇した。ただ、この日は海外投資家の取引が少ない月曜日だったため買いは膨らまず、戻り待ちの売りに押されて徐々に上げ幅を縮めた。
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省決裁文書をめぐり、森山裕自民国対委員長が政府から書き換えがあったとの報告を受けたことを明らかにし、ドル安・円高に傾いたことで、後場中盤には2万1689円97銭(前週末比220円77銭高)まで押し戻された。その後、麻生太郎財務相の辞任否定を受けて切り返したが、上値は限定された。
日経平均は短期的な上値メドとなっていた25日移動平均(12日時点で2万1694円)を1月29日以来、約1カ月半ぶりに上回った。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前週末比235.10ポイント高の1万5405.70だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、25.82ポイント高の1741.30で終えた。
東証1部の出来高は12億5360万株、売買代金は2兆3973億円。騰落銘柄数は値上がり1712銘柄、値下がり309銘柄、変わらず48銘柄。
業種別株価指数は33業種全て上昇し、機械、ゴム製品、鉱業、海運業、石油・石炭製品、非鉄金属が上昇率上位。
個別では、証券会社が目標株価を引き上げたエーザイが高い。内閣府などが発表した法人企業景気予測調査を受け、設備投資関連としてファナックが買われた。伊藤忠や住友商などの資源関連株の一角がしっかり。
クボタや第一三共、イオンが上昇し、決算を手掛かりに鳥貴族が急伸した。システムソフト、ツガミ、東芝機械なども買いを集めた。ソースネクストが活況高、サンケン電気も上昇した。
一方、エイチームが大幅安となったほか、ヤクルト、ハウス食G、日水は弱含み、ソニーや積ハウス、資生堂が売られた。ミライアル、酒井重、DDHDなどの下げが目立った。
東証2部指数は前週末比31.71ポイント高の7312.69ポイントと3日続伸。
値上がり銘柄数は294、値下がり銘柄数は168となった。
個別では、アールエイジがストップ高。ベネフィット・ワン、キタムラ、パシフィックネット、キーウェアソリューションズ、東亜石油など13銘柄は昨年来高値を更新。
石原ケミカル、アライドテレシスホールディングス、ソマール、セントラル総合開発、ジー・スリーホールディングスが買われた。
一方、ジオスター、日本アビオニクス、オプティマスグループが昨年来安値を更新。大盛工業、エリアクエスト、昭和化学工業、ショーエイコーポレーション、ヤマシナが売られた。