きょうは方向感の定まらない展開だったが、日経平均の下値では押し目買いが入る一方、上値では戻り売りに頭を押さえられ狭いゾーンでのもみ合いを強いられた。前週末の欧米株市場が総じて強い動きを示し、欧州では独、仏、英など主要国の株価が揃って史上最高値を更新したほか、米国でもNYダウが8連騰と気を吐き史上最高値を視界に捉えた。しかし、東京株式市場ではこうした強気優勢の地合いが波及しなかった。
日経平均は、前引けは小高く引けたものの後場は再び軟化。日銀がこれまでの大規模緩和策を終了し引き締め策に転じることへの警戒感が買いを手控えさせた。決算を発表した半導体関連の一角が売られたほか、不動産や建設株に大きく値を下げる銘柄が目立った。
日銀がこの日実施した定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)で長期債の購入額を減らした。国債購入減を受け、日銀が政策正常化を早めるとの思惑から国内の長期金利が上昇し、日経平均の下げ幅は200円を超え、節目の3万8000円を下回る場面があった。もっとも、節目を下回った場面では好業績銘柄の一角には買いが入り、日経平均は下げ渋った。
日銀は13日実施した国債買いオペで残存期間「5年超10年以下」の購入予定額を4250億円とし、前回4月24日から500億円減らした。市場では購入額を維持するとの見方が多かったため、長期債には需給の緩みを警戒した売りが出た。国内債券市場で長期金利は前週末比0.040%高い(価格は下落)0.940%と、2023年11月以来およそ半年ぶりの高水準をつけた。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも上昇した。金利上昇が債務の返済負担増につながりやすいとされる三井不や菱地所など不動産株の下落が目立った。25年3月期(今期)の業績見通しが市場予想に届かなかった東エレクも売られた。
半面、金利上昇が業績拡大につながりやすい三菱UFJや三井住友FGなど銀行株は堅調に推移した。今期の大幅増益見通しを発表したオリンパスや、大規模な自社株買いの実施を発表したホンダは買われ、指数を下支えした。