前週末5日の米国株の反発を受けて、東京株式市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は3万9000円台を回復した後はじりじりと上昇し、3万9617円36銭まで上げ幅を拡大する場面が見られた。後場は上げ一服となったが、為替が1ドル151円70銭水準と先週末時点よりも円安ドル高で推移したことで、輸出関連銘柄など大型株が相対的に強含む展開となった。
5日の米株式市場では主要株価指数がそろって上昇した。同日発表された3月の米雇用統計は賃金インフレの加速を示す内容ではなく、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに慎重になるとの観測がやや後退し、米ハイテク株を中心に見直し買いが入った。東京市場でも前週末に下落が目立っていた東エレクやソシオネクスなど半導体関連に買いが入った。海外短期筋とみられる株価指数先物への買いも強まり、日経平均への寄与度が大きいファストリなども高く推移した。
ただ、買い一巡後は利益確定目的の売りが重荷となり、午後の日経平均は急速に上げ幅を縮めた。今週から始まる小売り企業の決算発表や、10日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたいとの雰囲気も広がった。投資家の様子見姿勢が強まり、午後の相場は膠着感もみられた。
今週は10日に3月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米卸売物価指数(PPI)の発表を控える。早ければ6月にも予定される米国の利下げへ向けた経済状況を確認するためにも、結果を見極めたいところであり、積極的な売買は手控えられやすいところである。さらに、国内でも今月下旬からは主要企業の2024年3月期決算の発表が本格化する。来期以降の業績向上を見通せるのか確認したいとの見方も多いだろう。