前日の米国株市場では主要株指数が高安まちまちだったもの、外国為替市場で円相場が1ドル=109円台半ばまで円高・ドル安が進行し、海外投資家による株価指数先物への売りが優勢となった。
中国で発生した新型肺炎の感染拡大に対する警戒感がくすぶるなか、きょうは、香港株と中国・上海株が大きく値を下げており、これを横目に先物に海外ヘッジファンド筋とみられる売りが出て、現物株もこれに引きずられる格好となった。
新型肺炎の感染拡大が止まらなければ中国の経済活動が停滞し、「日本の景気や企業業績に対する下押し圧力が強まる」との見方から、素材や海運など世界景気の動向を敏感に反映する業種で値下がりが目立った。
中国・武漢市が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、公共交通機関の運行を停止する措置を発表した。中国景気が減速し、訪日客(インバウンド)需要が低迷するとの懸念が広がり、運用リスクを回避する雰囲気も強まった。
半導体など電子部品関連株の一部が値上がりしたが、投資家心理は好転せず、「東証1部全体では値上がりした銘柄を売って現金化する動きが強かった」とみられる。
日経平均は下値支持とみられていた25日移動平均を下回った。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比125.63ポイント安の1万5483.29だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、13.63ポイント安の1730.50で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9516億円。売買高は10億4906万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1660と全体の8割弱を占めた。値上がりは433、変わらずは66銘柄だった。