前週末5日の米株式市場では、NYダウが92ドル高と5日続伸。米追加経済対策の成立への期待が膨らんだ。これを受けた週明けの東京株式市場は、日経平均株価は52円高でスタートしたが、その後大口の買いが流入。600円を超す上昇となり、2万9000円台に乗せた。ハイテク株のほか、鉄鋼や海運、銀行、不動産など景気敏感株に買いが流入し、33業種中全業種が上昇する全面高となった。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、33.00ポイント高の1923.95と1991年6月以来約29年8カ月ぶりの高値水準で終えた。
内閣府が8日午後に発表した1月の景気ウオッチャー調査によると、景気の現状判断指数(DI、季節調整値)は前月比3.1ポイント低い31.2で、2020年5月以来の低水準に沈んだ。
米議会では、バイデン米政権が示した1兆9000億ドル規模の経済対策法案を与党民主党単独で実現する動きが進む。「従来考えられていたよりも財支出額が膨らむ見通しになり、リスク資産を選好する姿勢が強まった」という。
また、企業業績改善への期待も広がり、決算発表を控えた銘柄に先回りの買いが入った。
ただ、短時間に日経平均が急上昇したことには「売っていた投資家の買い戻しが中心。上がり方に違和感がある」と戸惑う声も出ていた。
JPX日経インデックス400は続伸し、終値は前週末比316.94ポイント(1.86%)高の1万7397.66だった。東証1部の売買代金は概算で3兆3924億円。売買高は15億8595万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1710と、全体の約8割を占めた。値下がりは429、変わらずは52だった。