20日の米株式市場でダウ平均は245.25ドル安と続落。5月住宅着工件数が予想を上回り、年内の利上げ再開に対する懸念が台頭した。
中国人民銀行による利下げが世界経済の減速懸念を強めたことも重しとなった。日経平均は朝方、前日の米株安につれて200円超下げる場面もあった。
ただ、日銀の金融緩和姿勢や東証の低PBR(株価純資産倍率)改善要請への期待、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏の総合商社株への投資などの好材料を背景に、海外投資家とみられる日本株への買いが続いた。
業種別では空運株や鉄道株の上昇が目立った。ANAHDとJALはそろって年初来高値を更新した。新型コロナウイルス禍からの国内景気の本格的な回復とインバウンド(訪日外国人)需要の戻りが期待されている。Jフロントなど百貨店株の上げ幅も大きかった。
きょうはアジアの主要株価指数も下げが目立ったが、日本株は固有の好材料を支えに堅調さを保った。生成型の人工知能(AI)の活用期待もあり、ソフトバンクグループ(SBG)や東エレクなどの半導体関連株も上昇。日経平均の上げ幅は270円に迫る場面もあった。
きょう夜にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が予定されている。米金融政策の先行き不透明感は強く、内容を見極めたいとの見方もある。日経平均は大引けにかけて上げ幅をやや縮小して終えた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、11.16ポイント(0.49%)高の2295.01で終えた。東証プライムの売買代金は概算で3兆8945億円、売買高は13億860万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1119と約6割で、値下がりは648、変わらずは66だった。