前日の米国株上昇を好感して買いが先行し、日経平均株価の上げ幅が一時前日比200円を超えた。しかし、米長期金利の動向や新型コロナウイルスワクチンの国内での普及など不透明要因もあり、その後は下げに転じる場面も目立った。
米株式市場でハイテク株が急伸したのを受け、東京株式市場でも半導体関連の一角などに買いが入った。もっとも、現地時間10日に予定する米10年物国債の入札結果などによっては金利が再度上昇を試す可能性もあり、東京株式市場でのハイテク株買いの勢いは鈍かった。午後に入ると相場は一段と方向感を欠く展開となった。
ファナックが一日を通して堅調に推移するなど、工作機械や設備投資関連には旺盛な中国需要をあらためて意識した買いが入り、相場を支えた。
東証1部全体では買い注文が薄く、売り物を吸収できずに値下がりする銘柄が半数を超えた。市場では「個人投資家が買値を上回った銘柄を売っている」との指摘もあった。
JPX日経インデックス400は小幅続伸した。終値は前日比24.04ポイント高の1万7350.28だった。東証株価指数(TOPIX)も小幅ながら続伸し、2.06ポイント高の1919.74で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8999億円。売買高は13億9336万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は879と、全体の4割だった。値下がりは1218、変わらずは97銘柄だった。