1990年8月以来、約30年4カ月ぶりの高値を更新した。
前日比の上昇幅は6月16日以来の大きさ。心理的な節目としてみられていた2万7000円を超え、値動きの軽さに着目した短期筋による買いが膨らんだ。売り方の買い戻しに弾みが付き、上昇幅は一時約750円にまで広がった。
前日の米国株市場では追加経済対策が成立に至ったことを好感する買いが流入し、NYダウをはじめ主要株3指数が揃って過去最高値を更新。この流れを引き継ぐ形で東京市場でも半導体関連や電子部品などハイテクセクターのほか、機械、海運、空運、化学など景気敏感株が買われた。
上昇に一段と弾みが付いたのは、2万7200円を超えたあたりからだ。「バブル後の戻り高値となったのが1991年3月18日に付けた2万7146円。
この水準を超えたことで、機械的に先物への買いが入ったのではないか」。
市場では、「投機的な取引を得意とする海外投資ファンドが積極的に買いを入れた」との見方が出ている。
さらに年末年始で薄商いとなったことも日経平均の急騰につながった。外国人投資家を中心に不在で「売る主体が少なかった」との声も多く聞かれた。
先物が上昇する中、指数への寄与度が高い値がさ株などと併せて買いの対象となったのが空運だ。コロナ禍を背景に信用取引の売り残が膨らみがちだった空運が買い戻された。
「機関投資家は持たざるリスクを意識している」との声も聞かれた。もっとも「先物主導で、買われたというよりは指数だけが自然に上がっていったというイメージ」との声もあり、市場参加者が戻ってくる年明けには利益確定売りに押されやすくなるとの見方もあった。2万7000円を大きく上回ったが、この価格帯での売買実績にも乏しく、「まだ値固めはできていない」との声もあった。
JPX日経インデックス400は5日続伸。終値は前日比286.55ポイント高の1万6475.26だった。東証株価指数(TOPIX)も5日続伸、31.14ポイント高の1819.18で終えた。TOPIXは1800台に乗せ、約2年3カ月ぶりの高値を付けた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2042億円。売買高は10億2087万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1814と、全体の8割強を占めた。値下がりは316、変わらずは46銘柄だった。