前日の米国株市場ではNYダウなど主要指数が反発したものの、外国為替市場で1ドル=107円台を割り込む円高に振れたことで、主力輸出株を中心に手掛けにくい環境となった。
日米首脳会談を前に貿易摩擦への懸念が全体相場の上値を重くしている。前日終値を挟んだ水準での一進一退が続いた。
食品や小売の一角などディフェンシブストックに買いが入ったが、鉄鋼や機械株が軟調で、内需では銀行株などが売られ、全体地合いを悪くしていた。
日経平均は前日比で下げに転じる場面があった。積極的な売買を見送る投資家は多く、日経平均の値幅(高値と安値の差)は117円にとどまった
日経平均が膠着するなか、株価指数オプション価格をもとに算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前日比で一時6%低い16.86に下がった。2月1日以来およそ2カ月半ぶりに17を下回った。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比47.73ポイント安の1万5314.69だった。東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反落し、6.24ポイント安の1729.98で終えた。
業種別株価指数(33業種)は、繊維製品、証券・商品先物取引業、銀行業、不動産業などが下落。石油・石炭製品、鉱業などが上昇。
東証1部の売買代金は概算で2兆1246億円、売買高は13億5346万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は517と、全体の約25%にとどまった。値下がりは1497、変わらずは68銘柄だった。小型株を中心に下げ幅が大きかった。
個別では、ファストリが上昇し、千代建やユニファミマが買われた。武田薬品工業も買い優勢、明治ホールディングスも大きく上昇した。花王や味の素も上げた。
キリン堂ホールディングスが急騰、古野電気も値を飛ばした。レノバ、サムティが大幅高となり、東洋エンジニアリングも高い。ルネサスエレクトロニクスも物色人気となった。
一方、小野薬や菱地所、新日鉄住金は下落した。Gunosyの下げが大きかった。
良品計画、日本電産も軟調。三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも冴えない動き。TOKYO BASEが急落したほか、大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウムなどチタン株も大きく値を下げた。インフォテリア、北の達人コーポレーションも安い。
東証2部株価指数は前日比71.86ポイント安の6933.57ポイントと続落した。値上がり銘柄数は123、値下がり銘柄数は314となった。
個別ではサイバーステップが一時ストップ安と急落した。JESCOホールディングス、田辺工業、土屋ホールディングス、大盛工業、スリープログループなど53銘柄は年初来安値を更新。
倉庫精練、ファステップス、アクロディア、アジア航測、ウェルス・マネジメントが売られた。
一方、クレアホールディングス、北陸電話工事、ダイナックが年初来高値を更新。
アライドテレシスホールディングス、アイケイ、宮入バルブ製作所、ジェイ・エス・ビー、はごろもフーズが買われた。