きょうの東京株式市場は、朝方は前日終値近辺でのスタートとなったが、その後は買いに厚みが加わり次第に水準を切り上げた。前日の欧州株市場が全面安だったほか、米国株市場でもNYダウをはじめ主要株価指数が揃って下落した。世界的な株安の流れのなかで東京株式市場でも軟調な地合いが予想されたが、主力株中心に押し目買いが活発で、空売りの買い戻しを誘発した。前場取引時間中に米下院で債務上限停止法案が可決されたことが伝わったが、これを受けいったんは材料出尽くし感から売りが先行する場面もあった。しかし、その後は再び買いが優勢となり全体指数を押し上げた。
前日に日経平均が440円と大幅下落していた反動で押し目買いが入った。日本株に先高観が根強いなか、過熱感の落ち着きを示す投資指標も増え、買い遅れていた投資家の買いが広がった。ソフトバンクグループ(SBG)が大幅上昇するなど値がさの主力株への買いが目立ち、指数を押し上げた。
前日までに月末・月初特有の機関投資家のリバランス(資産配分の調整)の売りが一服したことも、投資家心理の支援材料となった。
日本時間1日午前には米下院が債務上限停止法案を可決した。いったんは目先の材料出尽くし感から手じまい売りも出て、日経平均が再び下落に転じる場面もあった。
懸念材料の一つである米国の連邦債務の上限問題はひとまず落ち着く形となったが、関係者からは、過去、債務上限が引き上げられた後に米国債が格下げされた経緯があるだけに、今後の動向には警戒が必要とみている。また、投資家の関心は6月のFOMCでの利上げが停止されるのかに移っている。2日の米雇用統計や13日の米消費者物価指数(CPI)などの結果に関心が集まることになろう。もっとも、日経平均は本日の上昇で前日の大幅下落の影響は限られており、海外勢による押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。