朝方の日経平均は、売りが先行して始まった。前週末の米国株安で半導体関連に売りが目立っていることから、半導体や電子部品関連を中心に下げた。
また、前週末に発表された中国の鉱工業生産など複数の経済指標が市場予測を軒並み下回ったことで、中国景気の先行きが不透明であることも相場の重荷となった。
その後、香港で「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を求めて活動が続いているものの、ハンセン指数が反発し投資家心理が改善、日経平均も反発した。
外国為替市場でドル高・円安に傾いたことや、一部の値がさ株が買われたことも、相場を支えた。
しかし、ハンセン指数の上げが一服すると、日本株にも取引手控えムードが広がり、大引けにかけては失速した。
日中を通して上値の重さが目立ち、売買代金は2営業日ぶりに2兆円を下回るなど、商いは低調だった。
ファーストリテ、ソフトバンクGの2社で日経平均を約52円押し上げているため、2万1000円での底堅さは意識されたものの、方向性の掴みづらい環境だった。
市場からは「材料難で、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を見ないと動けない。米利上げは今回なくても7月に向けて何を発し、マーケットがどう反応するかが問題だ。ただ、声明やパウエル議長の記者会見で短期的な動きが出たとしても方向性は決まらないだろう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は、6.97ポイント安の1539.74だった。JPX日経インデックス400は反落した。終値は前週末比55.35ポイント安の1万3705.06だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆6498億円、売買高は9億3471万株だった。値上がり銘柄数は570銘柄、値下がり1483銘柄、変わらず90銘柄だった。