
節目の5万2000円を割り込み、この日の安値で終えた。前週末までの3日間で2200円近く水準を切り上げて最高値圏にあったこともあり、相場の過熱感を意識した売りが出やすかった。
前場の取引では日経平均が前週末終値を挟んでプラス圏とマイナス圏を往来するはっきりしない値動きとなったが、後場に入ると急速にリスクオフの流れが強まった。結局900円あまりの下落で安値引けとなった。
前日の米国株市場ではNYダウが反落したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が続伸したことで、前場は半導体関連などが牽引する形でプラス圏で推移する場面もあった。しかし、その後は軟調な米株価指数先物の値動きなどを横目に買いが手控えられ、大口の売りに対する受け皿がなく大崩れする格好となっている。機関投資家のポジション調整の売りに先物絡みのインデックス売りが加わったほか、外国為替市場で取引時間中に急速にドル安・円高方向に振れたことも嫌気された。日経平均は後場に下げ足を速めた。
売買代金は8兆7000億円台と高水準が続いている。
日経平均は歴史的な上昇が続き、10月月間では7478円(16.64%)高と、月間の上げ幅としては過去最大となった。
市場では「年金基金など機関投資家からは含み益のある株式を売却して利益を出すため、持ち高調整の売りが膨らみやすかった」との声が聞かれた。日本時間4日の取引で米株価指数先物が軟調だったのも相場を下押しした。
午前に相場の上昇を見込んで買い持ち高を積み増していた海外短期筋は午後に損失覚悟の売りを出していたとみられ、短期筋の売りを巻き込む形で日経平均は下げ幅を広げた。とくに足元の株高をけん引してきたハイテク株の一角の下げが目立ち、ソフトバンクグループ(SBG)やアドバンテスト、スクリーンなどが売られた。
日経平均は午前の取引では上昇に転じる場面もあった。2025年4〜9月期の決算発表が本格化し、材料の出た個別銘柄を物色する動きが旺盛で、東京エレクトロンやファナック株の上昇が相場を支えた。人工知能(AI)向け半導体の需要増加が追い風になった東エレクは26年3月期の純利益予想を引き上げた。ファナックは26年3月期の純利益が一転して増益になると発表。市場予想も上回り、好感された。
さて、東京株式市場は、前場は粘りを見せながらも終盤に下げ幅を広げる1日となってしまった。上場全銘柄で算出する指数トピックスの下落率は日経平均の1/3程度で内容的にはそこまでの下げにはなっていない。日経平均は4月以降7カ月連続で上昇しており今月で8カ月目に突入。上昇の速さは先月の月間7000円高がピークと思われ、この先ペースダウンはあって当然となりそうだ。