朝方こそ前週末の米国株上昇を受けて買いが優勢となり、日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)ともに高かった。
ただ、買いの主役となることが多い海外投資家は週初で動きが鈍かった上、国内投資家も前週の上昇で一定の利益が発生していたため売りを出しやすかったとみられる。
中国・上海総合指数安や円強含みが重しとなり、下げ幅を拡大し、午後2時には2万2423円40銭(同127円45銭安)まで下押す場面があった。その後は下げ渋ったが、戻りは限定された。
中国当局が金融市場の監督強化を続けるとの思惑から、上海総合株価指数が下落。買い手控えムードが強まった。24時間取引可能なGLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物が軟調に推移していることも心理的な重荷になった
市場からは「中国株安は気になるが、目先は上値を買う材料がない一方で売る環境でもない。日経平均は25日移動平均線を保ち、三角もち合いが煮詰まっており、いずれブレイクする方向性にあるようだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反落した。終値は前週末比41.48ポイント安の1万5733.50だった。東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反落し、3.83ポイント安の1776.73だった。
東証1部の出来高は13億7234万株、売買代金は2兆4323億円。騰落銘柄数は値上がり945銘柄、値下がり999銘柄、変わらず94銘柄。
個別では、シリコンウエハーを生産するSUMCOが下落し、信越化にも売りが波及した。半導体需要の伸びが鈍化するとの懸念から、東エレクやアドテスト、村田製も下げた。ソフトバンクGや三井住友が小幅安。中国の非鉄需要の盛り上がりが後退するとの思惑が高まり、三井金や住友鉱が売られた。住友不や三井不も軟調だった。
子会社の品質データ改ざん問題に揺れる三菱マは伸び悩み続落。前週末に買われたスタートトゥは反落した。また、東京窯業、UMCエレ、CVSベイなどが東証1部下落率上位となった。
半面、米年末商戦の順調な滑り出しとなり、ゲーム機を手掛ける任天堂やソニーが買われた。ファナックや安川電が上昇し、ヤマトHDも堅調だった。構造改革期待が高まった富士通も買われた。
ソニーやファーストリテもしっかり。三菱UFJ、トヨタ自などは小幅に上昇した。また、全固体電池関連として人気が続くニッカトー、目標株価引き上げ観測のアジアパイルがストップ高水準まで買われた。
東証2部株価指数は前週末比0.48ポイント安の6875.42ポイントと続落した。
値上がり銘柄数は273、値下がり銘柄数は199となった。
個別では、大運が年初来安値を更新。浜井産業、堀田丸正、ダイヤモンド電機、三社電機製作所、ソマールが売られた。
一方、ニッセイがストップ高。児玉化学工業、玉井商船は一時ストップ高と値を飛ばした。E・Jホールディングス、アルトナー、日本和装ホールディングス、北海道コカ・コーラボトリング、マックスバリュ東北など36銘柄は年初来高値を更新。オリエンタルチエン工業、アマテイ、アピックヤマダ、ベリテ、エスビー食品が買われた。