前日の米国株市場が様子見ムードで主要株価指数が高安まちまちだったことを受け、きょうの東京株式市場でも前場は買い気が盛り上がらず、前日に800円あまり上昇した反動もあって短期筋の利益確定売りや戻り売りが優勢だった。リスク回避ムードで、日経平均は途中下げ渋ったものの前引けにかけて売り直された。
日米の金融政策決定会合を目前に控え、この内容を見極めたいとの思惑が全体相場の上値を押さえている。しかし、下値はフシ目の3万8000円台を維持したことから、後場は一転して半導体関連の一角などこれまで売り込まれた銘柄を中心に買い戻しが利いた。前場は値下がり銘柄数が全体の8割以上を占めたが、大引け時点では、これが大きく入れ替わり値上がり銘柄数が全体の7割を占めた。売買代金は4兆円台に再び乗せている。
相場の底堅さを意識した押し目買いが優勢だった。日銀の金融政策決定会合を前に売り持ちしていた一部の銘柄を買い戻す動きも出た。国内の長期金利が午後に低下するなか、これまで売られた東エレクやレーザーテクなどの半導体関連の一角が買い直されたのも支援材料となった。
日銀が31日に金融政策決定会合の結果を発表するのを前に、株式市場で利上げ見送りの観測が広がった。市場では「日銀が利上げを先送りするなら日本株全体に追い風。利上げを警戒して売りを出していた一部の銘柄が買い戻されたとの声が聞かれた。業種別では、野村不HDなどの不動産株が買われる一方、三菱UFJなどの銀行株が売られた。
大引け前にプラス圏に浮上した日経平均だが、それまでは軟調だった。29日の米株式市場でダウ工業株30種平均が下落した流れを引き継ぎ、午前に下げ幅は400円に迫る場面があった。市場では「これから発表される米ハイテク大手の決算に対する警戒が日本株の重荷となった」との指摘もあった。国内企業も決算発表を材料に株価が大きく動くものが目立った。