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【大引け概況】


17日の日経平均株価は大幅反落し、終値は前週末比712円12銭(1.83%)安の3万8102円44銭だった。下げ幅は4月25日(831円60銭)以来の大きさだ。

 
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きょうはリスク回避目的の売り圧力が先物主導で増幅され、日経平均株価は一気に水準を切り下げた。一時は800円を超える急落で3万7900円台まで下押す場面もあった。欧州の政局不安などを背景に海外投資家と思われる売りが225先物を絡め高水準となり、全体指数を押し下げる格好となった。日銀による大規模金融緩和策の転換への思惑が外国為替市場で円高に誘導し、これも輸出セクターを中心に逆風となった。値下がり銘柄数は後場になってやや減少したが、プライム市場全体の77%の銘柄が下落する個別株ベースでも売り圧力の強い地合いだった。また、売買代金は3兆6000億円台で前週末のメジャーSQ算出日を除けば、6営業日連続で4兆円台を下回っている。
 
前週末14日のNYダウ工業株30種平均は下落した。米景気減速や極右政党が台頭するフランスの政治情勢を懸念した売りが優勢となった。欧州の株急落も重荷となり、東京市場では自動車や機械、商社などに売りが出た。欧州投資家によるリスク回避に伴う持ち高調整の売りも観測された。
 
日経平均は下げ渋る場面もあった。節目の3万8000円に近い水準では日本株の先高観に期待した押し目買いが入った。
 
米国景気の減速や欧州政局不安という悪材料を複合的にとらえられ、短期筋などによる先物売りが強まった形だろう。関係者からは「米国や中国に比べ、欧州の影響は日本経済にとって限定的で、欧州政局の不安を背景にした株安の動きは早晩落ち着くだろう」との声も聞かれる。今週から月末にかけて約7兆円超の配当の支払いがピークを迎えるため、配当の再投資への需給が相場を下支える可能性もあるため、押し目買いや値ごろ買いも入りやすいだろう。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は46.60ポイント(1.70%)安の2700.01だった。4月26日以来の安値となる。JPXプライム150指数は反落し、19.65ポイント(1.62%)安の1192.05で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆6272億円、売買高は15億7082万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1264と全体の8割ほどを占めた。値上がりは336、横ばいは46だった。
 
業種別株価指数(33業種)は不動産業、石油・石炭、鉱業、非鉄金属の下落率が大きかった。上昇は医薬品のみ。
 
個別では、売買代金トップとなったディスコが大きく下値を探ったほか、売買代金2位のレーザーテックや東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体製造装置の主力銘柄が軒並み売られた。日経平均への寄与度が高いファーストリテイリングが下げた。トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友FGも安い。東京建物、住友不動産など不動産株が弱い。アドバンテスト、王子ホールディングス、リコー、日本製鋼所、スズキ、レゾナック・ホールディングと幅広い銘柄が売られた。マネジメントソリューションズがストップ安、ギフトホールディングス、フリービットなども急落した。
 
一方、ソフトバンクグループ(SBG)が上昇して終えた。ファンケルが商いを伴い上昇、米アップルの上昇などを材料に太陽誘電が独歩高となり年初来高値を更新。このほか、住友ファーマ、ヤマトホールディングス、ニチレイ、エーザイ、アサヒ、鹿島建設が買われた。
低位株では曙ブレーキ工業が急動意をみせ値上がり率トップに。プロレド・パートナーズがストップ高に買われ、TOKYO BASEも活況高となった。