前日の米株式相場が、米中貿易摩擦が長期化するとの懸念で大幅安となったほか、世界的に金利低下が進むなどリスク回避ムードが強まった。
米10年債利回りが1年8カ月ぶりの低水準まで下がり金融セクターに逆風として意識されたほか、米半導体関連が売られたことを受け、東京株式市場でも、半導体関連株や電子部品株、金融株が売られた。
朝方は日経平均が一時375円安となる場面があった。
米中交渉の先行き不透明感から国内の機関投資家による押し目買いが限られたことや、為替市場で1ドル=109円20銭前後まで円高方向に振れたことも主力輸出株の買い手控え感を助長し、相場を下押した。
一方、株安が進んだことを受け、日銀が上場投資信託(ETF)を買い入れるとの観測が好感され、午後は下げが一服した。
日経平均が節目の2万1000円を割り込むなか、株価指数先物を売り持ちにしていた海外短期筋が買い戻しを入れたことも相場を支えた。
市場からは「日銀のETF買いが入ったとみられるが、それにしても戻りが鈍い。ただ、日経平均は引け値で2万1000円をキープし、改めて底堅さが意識される。基本的に米中問題が解決しないと何とも言えない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反落した。終値は前日比133.90ポイント安の1万3675.64だった。東証株価指数(TOPIX)は、14.58ポイント安の1536.41だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆1030億円。売買高は13億2229万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1541銘柄、値上がり512銘柄、変わらず83銘柄だった。