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【大引け概況】


1日の日経平均株価は3日続伸した。前週末比266円74銭(0.92%)高の2万9123円18銭で終え、年初来高値を更新した。終値での2万9000円台回復は2022年8月17日(2万9222円)以来約8カ月ぶり。
 
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リスク選好ムードが高まり、日経平均株価は上値指向の強い地合いだった。寄り付きに2万9000円台に乗せ、前場に若干伸び悩む場面はあったものの、後場は再び頑強な展開できょうの高値圏で売り物をこなしきった。
前週末の米国株市場でNYダウをはじめ主要株価指数が揃って上昇、更に外国為替市場で急速に円安が進行したことが、全体相場に追い風となった。ゴールデンウィークの狭間で、新たに渦中の米地銀が破綻するなど不安材料も意識されたが、一方では低PBR株や好決算企業などが個別に買われ、物色意欲の強さを物語った。値上がり銘柄数は全体の74%を占めた。売買代金は前週後半から3営業日連続で3兆円を上回るなど、ここにきて活況となっている。
 
日銀が4月27〜28日に開いた金融政策決定会合で現行の金融緩和策の維持を決め、日本と欧米の金融政策の方向性の違いから主要通貨に対する円売りが加速して輸出関連株の買いにつながった。主力企業の決算発表が本格化するなか、堅調な業績見通しを発表した企業にも買いが入った。
 
前週末の米株式市場では、米株の予想変動率を示すVIXが15.78と不安心理の高まりを示す20を大幅に下回る水準に低下した。これを受けて先物に商品投資顧問(CTA)などによる機械的な買いが入ったとの指摘もあった。
 
一方、米地銀のファースト・リパブリック・バンクの救済を巡り、米連邦預金保険公社(FDIC)が公的管理下に置く方向で調整が大詰めを迎えていると伝わり、先行き不透明感は重荷となった。日経平均は心理的節目を上回ったとあって、利益確定売りも上値を重くした。
 
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、20.58ポイント(1.00%)高の2078.06で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆1184億円。売買高は12億2921万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1355と、全体の7割強となった。値下がりは417銘柄、変わらずは63銘柄だった。
 
 
 

業種別株価指数(33業種)では陸運業、空運業、機械の上昇が目立った。下落は海運業、金属製品、ガラス・土石製品のみ。
 
個別では、メルカリが商いを膨らませ大幅高に買われたほか、ソフトバンクグループも堅調。キーエンス、コマツが高かった。日産自、マツダが買われた。NECが大きく上値を追い、日立製作所も高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも値を上げた。遠藤照明がストップ高に買われ、アイ・エス・ビーも急騰。ポーラ・オルビスホールディングス、インフォマートなども値を飛ばした。
 
半面、レーザーテックが朝高後に値を消し続落歩調となっているほか、ソニーグループも冴えない。郵船、商船三井など海運株の下げが目立った。ソシオネクストが安く、村田製作所も下値を探った。キャリアデザインセンターが値下がり率トップに売り込まれ、テクノプロ・ホールディングス、エムスリーなどが大幅安だった。