前週末の米株安を受けて幅広い業種が朝から売られた。さらに、大阪府を中心とした地震も買いを控える要因となった。もっとも、後場の日経平均株価は取引終了にかけてやや下げ幅を縮めるなど底堅さを見せた。
トラップ政権は15日、中国の知的財産権侵害を理由に500億ドル(約5兆5000億円)分の中国製品へ追加関税を課すと発表した。中国はすぐさま米国製品に同額の報復関税を課すと発表。
米中の報復の連鎖が企業活動を萎縮させるとの連想が働き、投資家心理が悪化した。コマツやファナック、安川電など、いわゆる「中国関連銘柄」の値下がりも目立った。
中国への追加関税措置については、「中間選挙に向けた米トランプ大統領のパフォーマンスという色彩が強い。米中両国は全面的な貿易戦争を望んでいるわけではなく、いずれ落としどころを見いだす」など今のところ比較的に冷静に見る向きが多い。
地震についても、「今のところ生産設備の大きな被害は伝わっておらず、売りを急ぐ感じにはなっていない」という。
市場からは「後場は、日銀のETF買いが入ったとみられるが、米中貿易問題や大阪北部地震など見極めにくい材料を抱えており、売りも出ている。日経平均株価は25日線で下げ止まりの格好ながら、同線は上昇から横ばいへと勢いが鈍り、サポートできるかどうかは不透明だ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400も反落した。終値は154.15ポイント安の1万5680.93だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、17.61ポイント安の1771.43で終えた。
業種別株価指数(33業種)は、海運業、石油・石炭製品、非鉄金属、機械、鉱業などが下落。上昇は建設業だけだった。
東証1部の売買代金は概算で2兆2568億円。売買高は13億5288万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1518と、全体の7割強を占めた。値上がりは507、変わらずは64銘柄だった。
個別では、任天堂やトヨタが下落。東エレクやSUMCOなど半導体関連株が値を下げた。三菱UFJとソフトバンクも下げた。トヨタが値を消し、ブリヂストンが軟調で、ファナック、コマツ、ソニーは売られた。田淵電機が急落、エムアップ、三井金属、タムラ製作所なども大幅下落した。曙ブレーキ工業が利食われ、ソルクシーズ、ツガミ、ヤマシンフィルタなども売り優勢だった。
一方、村田製が連日で年初来高値を更新。資生堂とJTが上げ、ファストリにも買いが入った。大林組は続伸、オハラが商いを膨らませ急騰、Olympicグループはストップ高で張りつき買い物を残した。シンクロ・フード、ジェイリースが値を飛ばしたほか、レノバも物色人気に。ブレインパッド、インフォテリアなども上昇した。
東証2部株価指数は前週末比88.85ポイント安の7455.33ポイントと続落した。
出来高1億1918万株。値上がり銘柄数は146、値下がり銘柄数は323となった。
個別では、ビート・ホールディングス・リミテッドがストップ安。省電舎ホールディングス、三井金属エンジニアリング、DNAチップ研究所、オーウイル、サイバーステップなど28銘柄は年初来安値を更新。ファステップス、伏木海陸運送、兵機海運、リンコーコーポレーション、大和重工が売られた。
一方、富士古河E&C、ソルコム、カンロ、ICDAホールディングス、ジャパンミートなど15銘柄が年初来高値を更新。フライトホールディングス、大丸エナウィン、トリニティ工業、スーパーバッグ、アイケイが買われた。