きょうは取引開始直後こそリスク選好の流れだったが、その後は戻り売りを浴び下値を探る展開を余儀なくされた。前日の欧州株市場が全面高で米国株市場でも主要株価指数が揃って上昇したが、東京株式市場では、外国為替市場で円高が急速に進んだことなどを背景に警戒ムードが高まった。
日経平均は前場取引中盤にかけて一気に値を崩し、一時は400円超の下落で3万1700円台まで水準を切り下げる場面があった。今月下旬に行われる日銀の金融政策決定会合で、大規模金融緩和政策の見直しが行われるとの見方が強まり、株式市場や為替市場で投機的な売買が加速した。その後、日経平均は下げ渋る場面もあったが、米CPIの発表を日本時間今晩に控え、終盤に手仕舞い売りが出て、結局3万2000円台を下回って取引を終えている。
7月の日銀金融政策決定会合での政策修正への思惑から円相場が約1カ月ぶりに1ドル=139円台へと円高が進んだことが輸出関連株の売りにつながった。
日銀が27〜28日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)を中心とした大規模な金融緩和策を見直すとの観測が一部海外勢で広がっている。海外投機筋が株価指数先物を売る動きを強めたとの見方もあった。
午後に円高が一服すると下値では買いも入り、日経平均は底堅く推移した。英半導体設計アームが今秋に予定する新規株式公開(IPO)で、「画像処理半導体(GPU)の米エヌビディアに対し大口出資者であるアンカー投資家として参加するよう協議している」と伝わった。ソフトバンクグループ(SBG)傘下のアームのIPOが前進しているとの見方から、SBGが午後に上昇し、指数を下支えした。
投資家の関心は今夜発表される6月の米消費者物価指数(CPI)の結果となるが、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの有無を左右する大きな判断材料となるため、注目度が高い。なお、CPIは5月から大幅な減速が見込まれている。
東証株価指数(TOPIX)は7日続落し、前日比14.92ポイント(0.67%)安の2221.48で終えた。7日続落は2021年9月27日〜10月7日の9日続落以来の長期続落となる。JPXプライム150指数は10.59ポイント(1.04%)安の1009.34だった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆3989億円。売買高は13億2486万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1313と、全体の7割を占めた。値上がりは464、変わらずは58銘柄だった。