きょうはリスク回避ムードの強い地合いとなった。前週末の欧州株市場が文字通りの全面高に買われたほか、米国株市場でも米長期金利の一段の低下を好感してNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇、特にダウは連日の年初来高値更新と好調だった。
注目された前週末のパウエルFRB議長の講演はタカ派的な内容ではなく、投資家心理にプラスに働いた形だ。ただ、金利低下を背景に外国為替市場ではドルが売られ、足もと円高傾向を強めたことが、きょうの東京株式市場では自動車やハイテクなど輸出セクター中心に逆風となった。今週は米国で雇用関係の指標が相次ぐことや、週末にはメジャーSQ算出を控え、先物主導で不安定な値動きとなることも予想される。そのため足もとでは積極的な買いが見送られた面もあるようだ。
円相場は朝方の東京外国為替市場で1ドル=146円台前半と約3カ月ぶりの高値をつけた。輸出関連株の業績の先行きに対する過度な楽観が後退し、トヨタやデンソー、ホンダなどに売りが膨らんだ。日経平均は下げ幅を400円強に広げる場面があった。
今週の雇用統計などの経済指標には関心が集まるほか、来週に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)の中身にも関心が集まろう。また、今週の先物市場はメジャーSQによる需給が中心になるため、積極的に売り買いを仕掛ける向きは少ないと考えられ、模様眺めムードの強い展開が続くことが予想される。