前日まで日経平均が3日続伸していたことで、目先筋の利益確定の動きを誘発し上値を重くしたが、売り物はきょうの高値圏でほぼ吸収した。900円を超える大幅な下げとなった11日以来、2週ぶりの高値水準。
前日の米国株市場では、ここ急落していたビットコイン価格が反発したことなどを受け主要株指数が揃って上昇、米長期金利の低下もハイテク株に追い風となり、その地合いを東京市場も引き継ぐ格好となった。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか様子見ムードが強く商いは盛り上がりを欠いたほか、取引時間中の値動きは130円あまりにとどまり、今年最少となった。
米国務省が24日、米国民に対し日本への渡航を中止するよう勧告したものの、投資家心理を大きく後退させる材料にはならなかった。国内での新型コロナウイルスの新規感染者数の増加抑制やワクチン接種の進展が期待されていることなどから、出遅れている日本株の買い場とみた投資家の買いが入ったとの見方があった。
ただ、2万8500円台の水準では戻り待ちの売りや利益確定の売りが出て伸び悩んだ。東京都などで31日までを期限とする新型コロナ対応の緊急事態宣言が延長されるとの観測も重荷となり、上値を追う動きは限られた。業種別日経平均の騰落率では、前日に大幅高となった海運の下げが目立った。陸運や空運なども下げ、景気敏感株の一角に売りが出た。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前日比68.59ポイント高の1万7332.61だった。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、6.48ポイント高の1919.52と10日以来約2週ぶり高値で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2039億円。売買高は9億9296万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は698と、全体の3割程度にとどまった。値下がりは1417、変わらずは77銘柄だった。