朝方はリスクオンの流れが継続したが後半に崩れた。前日の米国株市場でNYダウが続落したものの、主力株中心に買いが優勢で、前引け時点ではほぼ200円高に買われていたが、後場寄り直後から利食い急ぎの動きが顕在化し、全体相場を押し下げる形に。日経平均株価は前日まで8営業日続伸で、1900円以上の上昇をみせていたこともあって、スピード警戒感がにわかに強まった。
後場は経済産業省による先端半導体製造装置に関する輸出規制の報道が利益確定売りの口実となったほか、一部の国内年金基金からの大口売り観測もあり、一転して下落し、日経平均は3万1000円を割り込んだ。ただ、売り崩す動きは限定的でその後はもみ合いが続いた。
相場の過熱感を示すテクニカル指標であるRSI(相対力指数、14日平均、22日終値時点)は90%と「買われすぎ」とされる70%を大きく上回っていた。半導体関連の値崩れをきっかけに手じまい売りが膨らんだようだ。
鉄鋼や自動車株が売られ全体相場の下げを主導。半導体関連株は高安まちまちだったが、日経平均寄与度の高い値がさ株の一角が安く、指数押し下げ効果をもたらしている。
経済産業省が23日、先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の対象に加える省令改正を公布したことを受けて、値がさの東エレクやアドテストなどが午後に大幅安となって相場を下押しした。
朝方から後場寄り付き直後までは堅調に推移した。日本時間23日朝の外国為替市場で円が一時1ドル=138円88銭近辺とおよそ半年ぶりの円安・ドル高水準を付け、自動車や機械など輸出関連株の一角が買われた。
日本時間23日午前、バイデン米大統領が野党・共和党のマッカーシー下院議長との米債務上限問題を巡る会談を終え「債務不履行は選択肢にないことを改めて確認した」との声明を発表した。合意には至らなかったものの、市場では一定の買い安心感につながった。もっとも「合意に至るまでは不透明感は残る」との指摘もあった。
東証株価指数(TOPIX)は8営業日ぶりに反落し、14.41ポイント(0.66%)安の2161.49で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7601億円。売買高は14億1819万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1420と、全体の8割弱を占めた。値上がりは356、変わらずは59だった。