前日の米国株市場で米長期金利の低下などを背景に主要株価指数が揃って上昇したことを受けリスク選好の地合いで始まった。しかし、朝方に外国為替市場で急速に円高が進んだことで、これが重荷となって日経平均は寄り後すぐに値を消す展開となり、前日終値を下回った。一部報道により次回の日銀金融政策決定会合で前回に続いて政策修正の動きが出るのではないかとの思惑が高まり、投資家心理を冷やした。ただ、下値では押し目買いの動きが観測され、日経平均はマイナス圏に沈んだ後は再びプラス圏に浮上。その後は狭いゾーンでのもみ合いに終始した。
日本時間今晩に発表される2022年12月の米消費者物価指数(CPI)で上昇率が鈍化するとの予想から米金利が低下基調となるなか、半導体製造装置や電子部品などグロース(成長)株の一角が買われた。資源や素材関連株も高く、欧米景気が想定よりも悪化しないとの見方や中国の経済再開に向けた期待が継続した。日経平均は寄り付き直後に100円超上げる場面があった。
17〜18日開催の金融政策決定会合について、一部で「大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する」と伝わった。金融政策修正による金利上昇の思惑から、銀行株はメガバンクがそろって昨年来高値を更新するなど大幅高となった一方、不動産株は軒並み安となった。円相場は1ドル=131円台半ばまで上昇し、輸出関連株の重荷となった。
前場中ごろからは、米CPIの結果と米市場の反応を見極めたいとの雰囲気から積極的な売買は見送られ、膠着感の強い展開が続いた。
市場では「米12月CPIの発表や、17−18日には日銀金融政策決定会合も控えることから、積極的には手がけにくい状況が続く」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は5日続伸し、前日比6.93ポイント(0.36%)高の1908.18で終えた。