
きょうは売り優勢の地合いとなった。配当権利落ちに伴う下げ圧力が日経平均ベースで300円ほど影響しており、実質的には10円程度の下げにとどまった勘定となるが、個別をみると全体の88%の銘柄が下落しており、日経平均寄与度の高い一部の値がさ主力株が買われたことで全体指数を支えた形となっている。TOPIXの下落率は1.7%に達し日経平均を大きく上回った。前週末の欧州株市場がほぼ全面高に買われ、米国株市場でもNYダウをはじめ主要株価3指数が揃って反発したが、東京株式市場はその流れを引き継げなかった。取引時間中に外国為替市場でドル安・円高方向に振れたことも嫌気された形だ。全体売買代金は減少傾向となったものの5兆円台を維持した。
下げ幅は450円を超え、節目の4万5000円を下回る場面があった。日経平均は前週25日に最高値を更新するなど、足元で株高の勢いが強まっていたため、配当に加えて値上がり益の期待できる一部の銘柄に利益確定目的の売りが出た。
米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測から、外国為替市場では円相場が1ドル=148円台と、前週末と比べて円高・ドル安方向に推移した。29日午後の日銀の野口旭審議委員の挨拶で、年内の追加利上げ観測が高まったとの受け止めも円の対ドル相場の上昇を促し、日本株の重荷となった。トヨタやホンダは下落した。
日経平均が4万5000円を下回る場面では個人投資家を中心とした押し目買いが支えとなったようだ。市場では「今週末の自民党総裁選の投開票まで、上昇を見込んでいる個人投資家は多い」との声がある。週末に明らかになった報道各社の世論調査では、高市早苗前経済安全保障相が次期総裁にふさわしいとの見方が多く、関連銘柄の一角に買いが向かった。
さて、東京株式市場は期末の配当取り需要が一巡したこともあり騰勢一服の状態。米国で通常予想通りの利下げが見込めたり、今週は自民党総裁選で政策論議が白熱したりで、日米ともに株高基調が続く前提は揃っている。また、株式を売るような材料がほぼ見当たらないため、秋相場はいずれ日経平均で4万6000円を目指すことにはなってこよう。引き続き押し目買い有利で臨めそうだ。