日経平均の下げ幅は6月13日(836円安)以来の大きさだった。米国の利上げが加速するとの警戒から、13日の米株式相場が急落。投資家心理が悪化し、東京株式市場でも幅広い銘柄への売りが強まった。
前日までの強調展開とは打って変わりリスク回避目的の売りが集中した。日経平均は直近4営業日で1200円近い上昇をみせていたが、きょう1日でその3分の2を吐き出す格好となった。前日の米国株市場では、8月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想とは離れた強い数字であったことから、FRBの金融引き締め強化に対する警戒感が再燃し、ハイテク株中心に大きく売られる展開となった。
東京株式市場でも持ち高を減らすリスク回避目的の売りが噴出、日経平均は一時800円超の下落に見舞われる場面もあった。先物主導の売りが一巡するといったん下げ渋る動きもみせたが、後場に入ると改めて売り直され、フシ目の2万8000円台を割り込んだ。ほぼ全面安商状でプライム市場全体の約9割の銘柄が下落している。ただし、押し目に買い向かう動きも活発で売買代金は3兆円を上回った。
東京株式市場にも売りが波及し、割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のグロース(成長)株を中心に売りに押された。
午後には日銀が為替介入に備え、市場関係者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施したと伝わった。外国為替市場で円相場が1ドル=143円台に下げ幅を縮めるのと歩調を合わせるように株価指数先物に売りが出た。
市場からは「米8月CPIが強めに出たことで、それを利用した短期筋の売りに振り回された感はあるが、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)まで不透明感を引きずる流れは変わらない。ただ、「投資余力のある個人投資家は主力銘柄を中心に積極的に買いを入れていた」との声があった。日経平均は13週線(2万7648円)や日足一目均衡表の「雲」上限(2万7508円)などがサポートラインとして意識される」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は5営業日ぶりに大幅反落し、39.11ポイント(1.97%)安の1947.46で終えた。