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【大引け概況】


9日の日経平均株価は5日続落し、終値は前週末に比べ175円72銭(0.48%)安の3万6215円75銭だった。
 
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きょうはリスク回避目的の売りが朝方から噴出した。外国為替市場の円高にリンクさせた先物主導の売り仕掛けが効いて、朝方は日経平均が1000円以上水準を切り下げ、3万5000円台攻防を意識させた。
しかしその後は下げ渋り、特に後場に入ってからの戻り足が顕著だった。前週末の米国株市場では8月の米雇用統計発表を受けて米景気のソフトランディング期待が弱まり、リスクオフの流れのなか半導体大手エヌビディア<NVDA>などが売られ、市場センチメントを冷やす格好となった。外国為替市場では円高方向に振れ、東京市場では、これも輸出ハイテク株などにデメリットとなっている。ただ、取引時間中にドルが買い戻され、円安方向に押し戻されたことで株式市場の戻り足に貢献した。前引け時点ではプライム市場の約80%の銘柄が下落していたが、大引け時点で値下がり銘柄は65%まで減少した。
 
日本時間9日午後の取引で、米ナスダック100指数の先物「Eミニ・ナスダック100」がプラス圏で推移したことや、円相場が一時1ドル=143円台まで下落したことで、投資家心理がやや改善した。円高一服に合わせるように、海外短期筋が株価指数先物に断続的に買いを入れたことも相場の下値を支えた。
市場では「朝方の急落からの戻りが早いため、ポジション調整で国内の年金基金などが買い戻しているとの観測が出ている」との指摘もあった。
 
米国景気の後退懸念がくすぶるなか、為替相場の動向に左右されている。今週は11日に8月の米消費者物価指数(CPI)や13日には9月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表を控えているだけに、指標を受けた為替や米国市場の動きには引き続き警戒する必要があるだろう。また、国内でも週末には9月限の先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出日を控えている。ロールオーバーが中心になるものの、大きな変動に対してはヘッジ対応の売買に振らされやすくなるだろう。


 

 
東証株価指数(TOPIX)は4日続落した。終値は17.69ポイント(0.68%)安の2579.73だった。JPXプライム150指数も4日続落し、6.36ポイント(0.55%)安の1151.22で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆626億円、売買高は18億135万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1074。値上がりは536、横ばいは34だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、海運業、保険業などが下落。食料品、精密機器、空運業などが上昇。
 
個別では、売買代金上位3傑を占めたレーザーテック、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体製造装置大手が揃って株価水準を切り下げた。また、トヨタ自やホンダなどの自動車関連株、三菱商事や川崎船や日本郵船などの海運株も軒並み下落。
三菱重工業、ソニーG、リクルートHDが軟調、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも下値を試す展開に。信越化学工業、ルネサスエレクトロニクスも安い。ほか、8月の月次増収率鈍化をマイナス視されたシュッピンが急落、フクシマガリレイ、エイチームなどが値下がり率上位となった。ホーチキ、アンビスホールディングスも大きく売られた。レノバの下げも目立った。
 
半面、メルカリが商いを伴い上昇、セブン&アイ・ホールディングス、アサヒグループH、第一三共、協和キリンもしっかり。リクルートホールディングスが買い優勢、さくらインターネットも物色人気。ACCESSが値上がり率トップに買われ、ミガロホールディングスが大幅高、サンリオが上値を伸ばし、セーレンも急伸をみせた。ほか、第1四半期の営業利益が前年同期比で倍増した日本ハウスHD、大幅増配計画などをポジティブ視された日本駐車場開発、オアシスが大株主に浮上したセーレンなどが大幅高、能美防災などが値上がり率上位となった。