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【大引け概況】

16日の日経平均株価は大幅に3日続伸し、終値は前日比534円53銭(1.39%)高の3万8920円26銭だった。

 
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前日の欧米株高を受け主力株中心にリスク選好の地合いとなった。前日の欧州株市場ではドイツをはじめ主要国の株価が揃って最高値に買われたほか、米国株市場でも15日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇した。市場予想(0.4%上昇)を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数の伸びも前月から鈍化した。同日発表された4月の米小売売上高も市場予想を下回った。インフレや個人消費の鈍化がFRBの年内の利下げを後押しするとの見方から15日の米長期金利が低下。米国株の最高値更新でリスク許容度が増した海外短期筋などが日経平均先物にも断続的な買いを入れ、株価指数を押し上げた。
16日の香港ハンセン指数などアジア各国・地域の株価指数が総じて堅調だったことも買い安心感を強めた。
 
東京株式市場もリスクオンの流れに乗る形に。為替のドル安・円高は自動車株などに逆風となったものの、一方で半導体関連株は買われ、全体相場を押し上げている。後場は先物主導のインデックス買いが入り、日経平均の上げ足を助長した。
 
日経平均は伸び悩む場面もあった。日本時間16日の取引で米長期金利が一段と低下し、外国為替市場で円相場が1ドル=153円台に上昇した。トヨタやホンダといった自動車株など主力の外需関連株には輸出採算の悪化を警戒した売りが出た。市場では「米金利の先安観が強まっており、日米の金利差縮小を手掛かりとした円高進行のリスクは当面、外需株の上値を抑えそうだ」との声が聞かれた。
 
内閣府が16日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が2四半期ぶりのマイナス成長となった。市場予想も下回ったが、株式市場への影響は限られた。 
 



東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は6.66ポイント(0.24%)高の2737.54だった。JPXプライム150指数は6日続伸し、13.28ポイント(1.11%)高の1210.58で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で5兆657億円、売買高は22億1709万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は607。値下がりは994、横ばいは50だった。
 
業種別株価指数(33業種)はサービス業、証券・商品先物取引業などが上昇。下落はパルプ・紙、石油・石炭製品、鉄鋼、輸送用機器など。
 
 
個別では、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学など半導体製造装置関連が軒並み高く、キーエンスも買いを集めた。ソフトバンクグループ(SBG)も上昇した。任天堂が値を上げ、リクルートホールディングスが大幅高。ファーストリテイリング、ダイキン、クレセゾン、ファナック、NTTデータも買われた。スターティアホールディングスが値上がり率トップ、Orchestra Holdingsがストップ高。三菱化工機も値を飛ばした。
 
半面、売買代金首位となった三菱UFJフィナンシャル・グループやT&Dが安い。トヨタ自動車やヤマハ発も売られた。ソシオネクストが軟調、三井E&Sも下値を探った。野村マイクロ・サイエンスが売りに押され、日本製鉄Gも安い。ネットプロテクションズホールディングス、イー・ギャランティが急落、関東電化工業も大幅安。ヤマシンフィルタも大きく水準を切り下げた。