前の日の急落の反動で買い戻しが先行したほか、8月卸売物価指数(PPI)に若干の改善が見られたことが寄与。ただ、金融引き締め懸念がくすぶるなか長期金利が高止まりしていたことで一時下落に転じる場面もあった。
米株価指数先物が日本時間15日の取引で上げ幅を広げる場面では、日経平均先物にも買いが入った。日経平均の上げ幅は100円を超える場面があった。
前日は日経平均が800円近く下げ、東証プライムの9割超の銘柄が下落した。同日の米株式相場が上昇したことが支えとなって、東京株式市場では買いが先行した。政府が10月にも新型コロナウイルスの水際対策を緩和するなどと伝わり、需要回復への期待から、空運や鉄道、消費財などインバウンド(訪日外国人)関連の上昇が目立った。
積極的に上値を追う動きは限られた。米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方は根強い。円安・ドル高が進みやすいなかで、政府・日銀による円買いの為替介入への警戒も高まっている。中国が外国製の医療機器を締め出そうと動いていることも伝わり、関連銘柄の売りにつながった。
午後に入ってアジア市況やダウ平均先物が軟化すると再び騰勢を弱めた。概ね予想に一致したPPIもコア指数では予想を上回っており、インフレ懸念がくすぶる中、今晩の米8月小売売上高などを見極めたいとの思惑もあり、動意に乏しい展開が続いた。
前日の米株式相場の戻りが鈍かったことを不安視する声もある。米株価指数先物が日本時間15日の取引で伸び悩む場面では日本株にも売りが出て、日経平均が一時、下落に転じた。
市場では「インバウンドやレジャーの関連銘柄は新型コロナ流行前の水準を回復していない銘柄が多く、入国制限の緩和やGOTOトラベルに代わる全国旅行支援策への期待が支えとなり、折に触れて物色される状況が続きそう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は前日比2.97ポイント(0.15%)高の1950.43だった。