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【大引け概況】


15日の日経平均株価は小幅に反発し、前日比57円29銭(0.21%)高の2万7875円91銭で終えた。
 
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前の日の急落の反動で買い戻しが先行したほか、8月卸売物価指数(PPI)に若干の改善が見られたことが寄与。ただ、金融引き締め懸念がくすぶるなか長期金利が高止まりしていたことで一時下落に転じる場面もあった。
米株価指数先物が日本時間15日の取引で上げ幅を広げる場面では、日経平均先物にも買いが入った。日経平均の上げ幅は100円を超える場面があった。
 
前日は日経平均が800円近く下げ、東証プライムの9割超の銘柄が下落した。同日の米株式相場が上昇したことが支えとなって、東京株式市場では買いが先行した。政府が10月にも新型コロナウイルスの水際対策を緩和するなどと伝わり、需要回復への期待から、空運や鉄道、消費財などインバウンド(訪日外国人)関連の上昇が目立った。
 
積極的に上値を追う動きは限られた。米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方は根強い。円安・ドル高が進みやすいなかで、政府・日銀による円買いの為替介入への警戒も高まっている。中国が外国製の医療機器を締め出そうと動いていることも伝わり、関連銘柄の売りにつながった。
 
午後に入ってアジア市況やダウ平均先物が軟化すると再び騰勢を弱めた。概ね予想に一致したPPIもコア指数では予想を上回っており、インフレ懸念がくすぶる中、今晩の米8月小売売上高などを見極めたいとの思惑もあり、動意に乏しい展開が続いた。
 
 
前日の米株式相場の戻りが鈍かったことを不安視する声もある。米株価指数先物が日本時間15日の取引で伸び悩む場面では日本株にも売りが出て、日経平均が一時、下落に転じた。
 
市場では「インバウンドやレジャーの関連銘柄は新型コロナ流行前の水準を回復していない銘柄が多く、入国制限の緩和やGOTOトラベルに代わる全国旅行支援策への期待が支えとなり、折に触れて物色される状況が続きそう」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は前日比2.97ポイント(0.15%)高の1950.43だった。
 
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆3326億円。売買高は8億9754万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は960と、全体の5割強を占めた。値下がりは773、変わらずは104だった。
 
業種別株価指数(33業種)では空運業、不動産業、陸運業などが上昇。下落は鉄鋼、精密機器、非鉄金属など。
 
個別では、1日当たり入国者数上限撤廃などが認められる方向との報道を受けてインバウンド関連が軒並み高となり、JAL、ANAHD、JR東日本、西武HD、資生堂、マツキヨココカラなどが上昇。目標株価が引き上げられた神戸物産は大幅高。ファストリや東エレク、ソフトバンクグループが上昇した。資生堂やJR東日本も高かった。
 
一方、レーザーテックが大きく下落し、キーエンス、SMC、ファナック、アドテストなどの値がさ株が軟調。前日の米株式市場で素材セクターが大きく下落していたこともあり、日本製鉄、JFEHD、神戸製鋼所など鉄鋼株が軒並み下落。大和工業は大幅安となった。大阪チタ、東邦チタは利食い売りが膨らんだ。中国が医療機器市場で外国製品の締め出しに動いているとの報道でシスメックス、テルモ、オリンパスが売られた。KADOKAWAは東京五輪の汚職を巡る一件での会長逮捕がネガティブ視されて急落した。川崎汽も売られた。