この日の時間外取引のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の4月限の価格が一時1バレル=130ドル台に急騰した。008年7月以来の高値を付けた。
ブリンケン米国務長官が6日、米国と欧州同盟国がロシア産原油の禁輸について協議していると明らかにした。この原油急騰は、インフレ懸念と景気減速で日本経済にはマイナスに働くとの観測から売りが膨らんだ。
資源高により世界経済の成長が鈍化するとの見方から、アジアの株式市場は総じて下落、欧米の株価指数先物も大幅安となった。
日経平均の下げ幅は一時1000円に迫ったが、節目の2万5000円手前では売り方の買い戻しが入り、後場に下げ幅を600円ほどまで縮小する場面もあった。「ウクライナ情勢は流動的で、売り方も売り持ちを維持しづらい面がある」との声が聞かれた。東証株価指数(TOPIX)が前場で2%超下げたことで、日銀の上場投資信託(ETF)買いが入るとの見方も相場の支えとなった。
市場からは「下降トレンドが続き、押し買いよりも戻り売りのベースだ。ウクライナ問題の長期化が懸念され、原油高騰による景気悪化への警戒もあり、手が出しづらい状況だ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落し、終値は前週末比445.01ポイント安の1万6184.83だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、同50.91ポイント安の1794.03で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆7199億円。売買高は17億5053万株で、21年11月30日以来およそ3カ月ぶりの高水準だった。東証1部の値下がり銘柄数は1920銘柄と約9割を占めた。値上がりは225、変わらずは35銘柄だった。