新型コロナウイルス抑え込みのため、停滞を余儀なくされた経済活動の正常化を先取りする動きが続いている。朝方から不動産をはじめ内需関連の幅広い銘柄に買いが入った。
5月の米製造業景況感指数が前月比で4カ月ぶりに上昇したことで、米国などの景気が回復に向かうとの見方が強まった。新型コロナウイルスの「第2波」を予想して株式を売り持ちしていたヘッジファンドなど、海外投資家による日本株の買い戻しが継続した。
日経平均株価は午後に入っても高値圏で取引が続き、値上がり幅が一時300円を超えるなど堅調に推移した。
また、アジアの主要株価指数や日本時間2日のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の米株価指数先物との比較でも強さが目立った。「欧米などと比較した経済活動再開の遅れから日本株は売られてきただけに、買い戻しの動きも強い」との指摘が聞かれた。
一方、米国と中国の対立緊迫化や米国内のデモ激化による経済への悪影響は懸念材料だ。実体経済は好調とは言い難く、「日経平均の上昇ペースは速すぎる」と市場の過熱ぶりを警戒する声も少なくない
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比169.18ポイント高の1万4301.63だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、18.93ポイント高の1587.68で終えた。業種別TOPIXは証券商品先物や不動産業、機械などの景気敏感業種が上昇した。
東証1部の売買代金は概算で2兆4090億円。売買高は13億3573万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1716銘柄と約8割を占めた。値下がりは391、変わらずは62銘柄だった。