米中貿易摩擦の展開を見極めようとする様子見ムードが続く中、前日の米国株式市場の主要指数は方向感を欠いた。この流れを受け、日経平均も前日比横ばい圏で寄り付き、売りがやや先行して推移した。
世界的な金利低下基調が強まるなか、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が下落したほか、原油価格の下落で国際石油開発帝石やJXTGホールディングスが売られた。
午前10時すぎに対ドルでの人民元の基準値が発表されると、実勢値より元高で中国人民銀行に元安誘導の意思はないと受け取られた。通貨安論争によって高まっていた米中貿易摩擦への懸念がいったんは後退し上昇に転じた。
中国・上海などアジア各国・地域の株価指数が軒並み上昇したことも投資家心理を改善させたほか、先物にはコンピューターのアルゴリズム取引などの買い戻しが入り相場を支えた。
物色としては、決算を受け好業績銘柄に関心が向かったほか、前日の米ハイテク株高を受けた半導体関連や電子部品株も強含みをみせた。
ただ、米国の対中制裁関税「第4弾」が発動される9月1日までは投資家も取引を控えているとみられ、新たな買い材料に欠けるなか、利益確定売りが出て相場の上値は重かった。
市場では「6日に日経平均株価は2万100円台を付けた後、下げ幅を縮小したことから、当面はPBR1倍程度が下値を支えそうで、突っ込み買いの吹き値売りで対応したい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落し、終値は前日比15.81ポイント安の1万3357.24だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、1.27ポイント安の1498.66で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆878億円、売買高は11億8706万株だった。値上がり銘柄数は1088、値下がり962、変わらず99だった。