きょうの東京株式市場はリスク選好ムードの強い地合いで、日経平均は朝方から大きく買い優勢の展開で一気に水準を切り上げた。
前日の欧州株市場で主要国の株価指数が全面高だったほか、米国株市場でもハイテク株中心に買いが入り、ナスダック総合株価指数は年初来高値を更新した。これを受けて東京市場でもハイテクセクターを中心に投資資金が流入した。半導体関連への買いが目立ち全体相場を押し上げる格好に。朝方取引開始前に発表された6月の日銀短観で企業の景況感改善が確認され、市場のセンチメントを強気に傾けた。
一方、日銀の金融緩和政策は今後も続くことが予想されるなか、海外投資家とみられる資金が流入し、後場も先物主導で日経平均の強調展開が続いた。
日銀が発表した短観では企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス5と、前回調査から改善した。企業の景況感の改善を背景にIHIやダイキンなど機械株が買われ、相場上昇をけん引した。東証業種別株価指数では機械が3.2%高と33業種中の上昇率首位となった。
短観では企業の物価見通しの鈍化が示唆されたとあって、日銀の大規模な金融緩和策が継続するとの見方も広がった。こうした受け止めから欧州勢を中心に海外投資家の買いが再び活発になったとの指摘があった。
市場からは「米インフレ懸念が後退し、国内景気も良いとなれば、市場ムードは上向きだ。新規買いと売り方の買い戻しで需給も相当良い。ETF(上場投資信託)の分配金捻出に伴う売りへの警戒はあるが、それを見据えての買いであり、強いの一言だ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発し、32.21ポイント(1.41%)高の2320.81と、90年7月以来の高値を更新した。3日から算出が始まったJPXプライム150指数は1067.96で終えた。同指数は5月26日時点を1000としている。