きょうは模様眺めムードが強かった。前日の欧米株市場が総じて高かったことを受け、リスク選好の地合いが予想されたが、前日の後場に欧米株高を織り込む形で日経平均が先に下げ渋った経緯があり、その分上値が重くなった。
13日には株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出を控え、先物主導のインデックス売りも警戒されたようだ。日本時間あす午前中に米国ではトランプ前大統領とハリス副大統領の討論会が予定されており、この結果を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせた。米半導体株高を受け、半導体製造装置関連の一角が買われたが、買い一巡後は値を消す銘柄もみられ、投資家の慎重姿勢を裏付けている。個別株をみると値上がり銘柄数と値下がり銘柄数は拮抗したが、やや値上がりの方が多くなっている。なお、売買代金は4兆円台を下回った。
海外投機筋などから思惑的な先物売りが出たとの見方もあった。半面、直近で下げが目立っていた半導体関連の一角には買いが入り、日経平均は上昇する場面もあった。
午前の日経平均は不安定な展開だった。前日の米株式相場の上昇を受け、日経平均は反発で始まったが、寄り付き直後には早々に下落に転じ、下げ幅は一時200円を超えた。売り一巡後は短期筋とみられる先物への買いで、日経平均は急激に強含み、再び上昇。上げ幅は300円を超える場面があった。午後に入ってからは前日終値を挟み、一進一退の展開だった。
日本時間11日午前は米大統領選の候補者である民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏によるテレビ討論会、同日夜には8月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。SQ算出に加え、来週にかけては日米中銀の金融政策決定会合も控える。重要日程を前に一部投資家による持ち高調整の売買の影響が出たとの見方があった。
9日の米株式市場でエヌビディアなどの主力ハイテク株が上昇した。東京市場でも足元で下げが目立っていた値がさの半導体関連に買いが入った。東エレクは7営業日ぶり、アドテストは6営業日ぶりにそれぞれ反発した。JR東日本や小田急など鉄道関連を中心に内需・ディフェンシブ株の一角も上昇した。