前週末の米国株式市場ではダウ工業株30種平均が3日連続で過去最高値を更新した。東京市場もこの流れに乗り、日経平均は朝方、信越化など好業績銘柄への買いが優勢で、日上げ幅を150円超に広げた。
しかし、午後に入り、最近上昇が続いていた中国・上海株や香港株が軟調に推移し、東京市場でも主力株の一角に利益確定売りが出た。日経平均はマイナス圏で取引を終え、落ち着かない相場展開だった。
前週末に決算を発表し、好業績が確認された主力銘柄のファナックは値上がりした。とはいえ、寄り付きを高値に値を消す展開で、「好業績は織り込み済み」の地合いを示した形だ。株式市場は、上値の重さが意識されやすくなってきたようだ。
JPX日経インデックス400は小幅に4日続落。終値は前週末比0.35ポイント安の1万6637.12だった。東証株価指数(TOPIX)は同1.06ポイント高の1880.45と4営業日ぶりに小反発したが、上値の重さが目立った。
東証1部の売買代金はで2兆5939億円。売買高は13億2628万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は828と、全体の4割にとどまった。値上がりは1129、変わらずは102だった。
個別銘柄では、任天堂やソフトバンク、コマツが安い。野村傘下の損害保険会社を買収すると伝わった楽天は買い先行後、下げに転じて終えた。受注工事残高が1年前に比べて減った大東建は大幅安。資生堂が下落した。王子HDやJR東日本がさえない。ファーストリテは、三井住友、野村は弱含んだ。
一方でトヨタやスズキ、JXTG、第一三共は上げた。三菱商、三井物、信越化が、ファナック、東エレク、日本電産は買い優勢で、トヨタが締まった。
東証2部株価指数は前週末比12.88ポイント高の7668.50ポイントと4日ぶり反発した。値上がり銘柄数は267、値下がり銘柄数は208となった。
個別では、オリジナル設計、大和自動車交通、アシードホールディングスがストップ高。三井金属エンジニアリング、SYSKEN、福留ハム、マックスバリュ東北など44銘柄は昨年来高値を更新。三光合成、三社電機製作所、栗林商船が買われた。
一方、富士通コンポーネント、セブンシーズホールディングス、アクロディア、サイバーステップが売られた。