前日の米株式市場は、NYダウは301ドル安と下落した。米地銀の信用不安を背景に金融株を中心に値を下げた。
為替相場でも円高が進行した。これを受け、東京株式市場は値を下げて始まった。前日までの2日間で日経平均株価が1400円あまり上昇したことから、利益確定売りも膨らみ、半導体関連などハイテク株が軟調となったほか、米国での金融株安を背景に三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほFG、三井住友FGなど銀行株に売りが波及した。
円相場の強含みを受けて自動車株の一角が売られたほか、円の上昇に歩調を合わせた海外投機筋の株価指数先物売りも目立った。
為替相場は午後には1ドル=149円台後半に円高が進行し、日経平均株価は午後2時過ぎに780円あまり下落し4万7500円台を割り込む場面があった。
首相指名選挙は21日に実施されることで大筋合意され、自民党と日本維新の会による連立協議の行方を確かめたいとの見方も強まった。
日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が約半年ぶりの高水準を付ける場面があった。
市場では「来週とされる首相指名選挙では政局の不透明感が根強い。相場下落で変動率に応じて持ち高を調整するリスクパリティ戦略をとるファンドが売りを出した可能性がある」との指摘があった。
さて、東京株式市場は米株安や円高が響き日経平均は反落の1日に。来週の首班指名選挙に向けた与野党の駆け引きも続き手掛けにくくなっている。基本的には誰が首相になっても財政出動を行う方向で景気や株価にはプラスだが、それで日本が変わるということはなく材料としては一時的だろう。チャート面で日経平均は依然として25日移動平均線の上にありトレンドは保たれていると判断して良いだろう。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反落した。終値は32.98ポイント(1.03%)安の3170.44だった。JPXプライム150指数も3日ぶりに反落し、13.80ポイント(0.98%)安の1392.04で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆952億円、売買高は20億9347万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1131、値上がり数は433、横ばいは51だった。
業種別株価指数(33業種)は保険業、銀行業、証券・商品先物取引業、電気・ガス業などが下落した。上昇はその他製品、食料品など。
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(SBG)やアドバンテスト、ディスコが安く、三井住友フィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループが売られた。フジクラやIHI、トヨタ自動車が軟調。東京海上ホールディングスやSOMPOホールディングス、SBIホールディングスが下落した。
半面、花王や資生堂が買われ、三菱重工業や任天堂が高く、キーエンスやNTT、住友金属鉱山がしっかり。三菱商事や三井物産が堅調で、アサヒグループホールディングスや神戸物産、JTが値を上げた。