前日のNYダウの上昇は小幅にとどまったほか、外国為替市場で1ドル=110円台に入るなど円高に振れたことで、買い手控えムードが漂うなかで始まった。
米長期金利の低下を受けて、銀行など金融株には売りが優勢だった。
しかし、国内に買い手掛かり材料が少ない代わりに売り圧力も限定的で、下値では値ごろ感からの買い戻しが全体を支えた。日中値幅(高値と安値の差)は93円と3月7日以来約1カ月ぶりの小ささだった。
欧州連合(EU)は日本時間11日朝、英国の離脱期限を10月31日まで再延期すると発表したが、市場では「想定の範囲内」との受け止めが多く、材料視する動きは目立たなかった。
一方で、中国・上海株の上昇を受けて電気機器など輸出関連銘柄を中心に強含む場面もあった食料品や医薬品といったディフェンシブ銘柄には買いが入った。ただ、厚い売り物が株価上昇を阻んだ。
市場では「9日にIMF(国際通貨基金)が19年の成長見通しを1月の3.5%から3.3%に引き下げるなど、景気の先行きに不透明感が意識されるなか、10連休前の調整入りが警戒され積極的には手掛けづらい状況にある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比8.43ポイント安の1万4288.49だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆545億円と、5営業日ぶりに2兆円を上回った。売買高は11億1171万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は814、値下がりは1222、変わらずは104だった。