前場はかなり売り圧力の強い展開で、日経平均が先物主導で大きく水準を切り下げフシ目の3万6000円台を割り込んだ。
今週行われるFOMCでFRBが大幅利下げに踏み切るとの観測が広がるなか、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが広がり、円相場が一時1ドル=139円台と約1年2カ月ぶりの水準まで上昇。足元では1ドル=140円台後半まで上げ幅を縮めているものの、再び円高が進むとの警戒感は根強く、東京株式市場では自動車や機械など輸出関連株が売られ相場を押し下げた。
前日の米国株市場では大幅利下げ期待を背景にNYダウが史上最高値を更新したが、半導体セクターに売られる銘柄が多く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も下落したことで、東京株式市場でも半導体関連は総じて軟調だった。一方で海運株が大きく買われたほか、水産、陸運、食料品、倉庫など内需株に買いが集まり全体を支えた。特に中小型株は買われる銘柄が多く、後場は値上がり銘柄数が急増し、値下がり銘柄数を大幅に上回った。
半導体関連株の軟調さも目立った。一部証券会社がリポートでメモリー市場の先行き不透明感を指摘し、東京エレクトロンなど関連株の下落につながった。市場では「前日の米株式市場でハイテク株が売られていたことも相まって、半導体関連株売りが加速した」との声が聞かれた。
ただ日経平均は大引けにかけて下げ渋る場面も見られた。市場では「基本的にはFOMCの結果待ちではあるものの、円高が一服する局面では下値で押し目買いも入ったようだ」との声が聞かれた。