朝方は、米経済指標の改善などを背景に4日の米国株式が上昇した流れを受け、買いが先行した。円安・ドル高も後押しし、いったん2万8700円台に乗せた。その後、利益確定売りに上げ幅を縮小する場面もあったが、株価指数先物買いを交えて盛り返した。後場入り後は高値圏でもみ合いが続いた後、終盤はジリ高歩調となった。
米景気の回復期待が高まり、投資家が運用リスクを取る姿勢が強まった。相次ぐ決算発表で2021年3月期の業績見通しを上方修正した銘柄などへの買いが集まった。
日本時間5日の米株式指数先物相場が堅調に推移し、アジア株も上昇したことで投資家心理が上向いた。先物主導で上昇し、現物株にも買いが入った。
業種別東証株価指数(TOPIX)では、原油高を背景に鉱業が上昇。米追加対策が実施されれば景気回復が加速するとの期待感から空運や海運、鉄鋼などの景気に敏感な銘柄が買われた。
決算発表で21年3月期見通しを上方修正するケースが相次いでいることも株価指数の追い風になった。マツダやNTTデータなど、4日に上方修正や20年4〜12月期の業績改善を発表した銘柄を中心に買いが殺到した。前日に大幅に上昇したソニーへの買いはこの日も続いた。
市場からは「基調は強い。新規買いというよりも、週末でポジション調整の買い戻しとみられる。金融緩和が続いているうちは、強い相場も続くことになろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比213.72ポイント高の1万7080.72だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、25.83ポイント高の1890.95で終えた。そろって昨年来高値を更新した。
東証1部の売買代金は概算で3兆1898億円。売買高は15億3727万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1548と、全体の約7割を占めた。値下がりは563、変わらずは80銘柄だった。