前日の欧米株高を受け、リスク選好ムードのなか始まり、寄り付き直後に日経平均が2万2900円台に乗せる場面があった、景気に敏感な主力株に買いが入った。その後は先週から今週にかけて2000円以上水準を切り上げており、個人投資家を中心とする利益確定売りに値を消し、一時はマイナス圏で推移する場面もあった。
新型コロナウイルスの感染拡大で停滞していた経済活動が再開し、各国で急速に冷え込んだ景気回復の兆しが見え始めている。雇用サービス会社ADPが発表した5月の全米雇用リポートは、非農業部門の雇用者数が市場予想ほど悪化しなかった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した5月の非製造業景況感指数も市場予想を上回った。これまで期待先行で株価水準が切り上がっていただけに、実体面での裏付けを好感する買いが広がった。米株高の流れを引き継ぎ、朝方に日経平均の上げ幅は300円に迫った。
ただ、心理的な節目の2万3000円を前に利益確定売りも出て、下げに転じる場面もあった。市場では「2万3000円近辺はコロナショックで下げる前に推移していた価格帯にあたり、戻り待ちの売りも出やすく、上値が重くなりやすい」との声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日続伸。終値は前日比43.34ポイント高の1万4454.87だった。東証株価指数(TOPIX)も4日続伸し、4.74ポイント高の1603.82で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6913億円。売買高は15億1632万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1032と、全体の約5割を占めた。値下がりは1026、変わらずは111銘柄だった。