米製薬大手ファイザーによる新型コロナウイルスワクチンの年内供給量が当初目標の半分にとどまるとの報道を受けて、3日の米株が取引終了にかけて伸び悩み、4日の東京株式」市場も売りに押され気味の展開が続いた。
11月以降、「ワクチンが普及して経済が正常化する」というシナリオが株価上昇の原動力となっていたため、シナリオを怪しくする材料には売りで反応しやすかったとみられる。
ワクチン普及による早期の経済活動の正常化を期待して買い意欲を高めていた投資家心理を下向かせた。
11月の米雇用統計の発表を日本時間4日夜に控えた週末で、徐々に投資家の様子見姿勢が強まった。「重要統計発表を前に今日は買わないという姿勢の投資家が多く、ポジション調整や利益確定の売りに押されて軟調に推移した」とみていた。
半面、菅義偉首相が夕方からの会見で追加経済対策について言及すると伝わると、急速に下げ幅を縮小する場面もあった。米国でも追加経済対策に関する与野党協議で前向きな動きがあると伝わり、取引時間中の米株価指数先物が堅調に推移した。日米の経済対策期待を材料に、割安(バリュー)株を中心に下落局面で押し目買いが入り相場を支えた。
市場からは「ファイザーの件があっても過剰流動性が売りを吸収している。ただ、以前のように上に進む勢いはなく、新たなフォロー材料がないと、この先を攻めるには二の足を踏む」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比13.86ポイント高の1万6136.54だった。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、0.69ポイント高の1775.94で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3367億円。売買高は11億4790万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1116と、全体の約5割を占めた。値上がりは969、変わらずは93銘柄だった。