きょうの東京株式市場は、リスク回避の売り圧力が一気に強まる展開となり、前場は日経平均が2万7000円大台を割り込んで推移する時間帯が長かった。前週後半に米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数がいずれも2営業日続けて大幅安に売り込まれ、これを引き継ぐ展開となった。
注目された1月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比7.5%と市場予測を上回り、約40年ぶりの高い伸びを記録。これを受けFRBのタカ派色が一段と強まることへの警戒感が高まったほか、ロシアのウクライナ侵攻が近いとの思惑も買い手控え要因となった。
一方、地政学リスクが影響してWTI原油先物価格は高騰し、企業収益への影響も懸念されている。後場はやや下げ幅を縮めたが、アジア株全面安のなかで日経平均も600円超の下げで着地している。
朝方から景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に売りが広がった。日経平均の下げ幅は700円を超えて心理的な節目の2万7000円を下回る場面があった。
緊迫するウクライナ問題をめぐって12日に開いたバイデン米大統領とロシアのプーチン大統領との電話協議は平行線をたどり、解決に向けた進展はみられなかった。ロシアのウクライナ侵攻は時間の問題との見方が強まり、運用リスクを避ける動きが加速した。市場では「軍事的な緊張が一段と強まる可能性があり、当面は相場の重荷になる」)との見方があった。
米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化を急ぐと改めて意識されたことも、投資家心理の悪化につながった。10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.5%の上昇と約40年ぶりの高い伸び率で、米金利の先高観が東京市場で半導体関連などグロース(成長)株の売りにつながった。
一方、午後に日経平均は下げ渋った。東証株価指数(TOPIX)の午前終値が前営業日に比べ2.02%安となり、日銀による株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れが意識された。日経平均が午前に心理的な節目の2万7000円を下回っていたことで、下値で買い戻しが入りやすかった面もあった。
TOPIXは4日ぶりに大幅に反落し、前営業日比31.96ポイント安の1930.65で終えた。JPX日経インデックス400も大幅反落した。
東証1部の売買代金は概算で3兆1992億円。売買高は13億7981万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1606と、全体の約7割を占めた。値上がりは507銘柄、変わらずは69銘柄だった。