前週末に、米中通商協議に関して「重要な進展があった」と一部の中国系メディアが報道。米国では半導体企業の好決算も加わり、NYダウが値上がりした。週明けの中国・上海株も堅調な値動きとなったことで、東京株式市場は世界的な株高の流れに乗った格好となった。
海外ヘッジファンドなどが株価指数先物に断続的な買いを入れた。主力の値がさ株や半導体関連株の上昇が目立った。
日経平均は寄り付き直後に上げ幅を160円超に広げた。ただ、年度末が近いことから国内機関投資家が利益確定売りや決算対策の売りを出したといい、その後は高値圏で一進一退となった。
財務省が朝方発表した2月の貿易統計速報(通関ベース)は輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が5カ月ぶりの黒字だった。懸念された中国向け輸出は3カ月ぶりに増加に転じたが、市場では「ほぼ予想通り」として材料視されなかった。
市場からは「25日線、13週線が上向きだが、200日線は下向きでネックラインになっている。上に行くにも下に行くにも材料に乏しく、日経平均は2万1500円をはさんでのもみ合いが当面続くのではないか」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸し、終値は前週末比88.33ポイント高の1万4354.55だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、11.05ポイント高の1613.68で終えた。
国内に新規の手掛かりが乏しく商いは低調だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆9134億円と1週間ぶりに2兆円を下回った。売買高は10億3392万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1695と全体の約8割を占めた。値下がりは385、変わらずは56だった。