一段とリスク回避の売り圧力が強まった。前日の米国株市場では米長期金利の上昇が重荷となり、ハイテク株などが売り込まれ主要株指数が揃って下落、この流れを引き継ぎ日経平均も下値を探る動きを強いられた。
依然として不透明なウクライナ情勢や、ゼロコロナ政策をとる中国で上海など主要都市のロックダウンによる経済への影響も警戒されている。日本時間今晩に発表が予定される米CPIの結果を見極めたいとの思惑も買いを手控えさせた。日経平均は約1カ月ぶりの安値水準となった。
米国の金融引き締めを背景に米長期金利の上昇が続いている。日本時間きょうの取引で節目の2.8%を超え、2018年12月以来の高水準を付けた。今晩の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、米金利が一段と上昇する可能性も警戒されている。多くの投資家が様子見姿勢を強めたため買い手が少なく、じりじりと下げ幅を拡大する展開が続いた。
一部地域での都市封鎖(ロックダウン)が続く中国の景気減速懸念から、中国関連銘柄とされるファナックやコマツ、ファストリなどが大幅に下落した。米金利の上昇と中国での新型コロナ感染拡大で世界景気全体が減速するとの警戒感から、海運株も大幅に値を下げた。
市場からは「時間外で米10年債利回りが上昇し、米株先物は安く、織り込みにいったようだ。外部環境は依然不透明であり、日経平均が2万6500円をあっさり割り込んだことで、次は2万6000円が意識される」との声が聞かれた。