令和に入ってからの下げ幅は913円で、取引時間中には一時1083円まで広がった。
5日続落したのは2018年12月25日以来。
寄り付き直後は個人投資家などの押し目買いの動きが活発だった。
上海総合指数が上昇して始まったことで投資家心理も改善し、ファナックや安川電、コマツなど中国関連銘柄に買いが入り、一時180円超まで上げ幅を拡大した。
前引けにかけて高値圏で推移し、午前の終値は143円高だった。
後場に入り、米国は日本時間13時1分、2000億ドル(約22兆円)分の中国製品に課す制裁関税を従来の10%から25%に引き上げた。その後、中国商務省が、米国が同日発動した対中追加関税について強硬姿勢を示し、米中貿易摩擦の悪化懸念が改めて強まった。
また、10日の日経平均株価を対象としたオプションの価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が約4カ月ぶりの高水準を付け、変動率を参照して自動的に資産配分を決めるリスク・パリティ戦略を取るファンドの機械的な売りも下げ幅を拡大させた。株価指数先物を中心に売られ、一時220円超安になった。
ただ、大引けにかけて日経平均は下げ渋った。目先売られ過ぎとの見方も強く、終盤にかけて買い戻しや押し目買いが入り下げ幅を縮小した。
市場からは「日経平均は75日線や日足一目均衡表の『雲』上限を割り込み、調整を引きずる可能性がある。ただ、米中協議は完全に決裂した訳ではなく、両国トップ会談への期待もある」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は、1.29ポイント安の1549.42だった。
JPX日経インデックス400は5日続落した。終値は前日比10.43ポイント安の1万3781.10だった。
東証1部の売買代金は概算で3兆1340億円。売買高は17億4057万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1004銘柄、値上がり1055銘柄、変わらず81銘柄だった。