前日の米株式相場が下落したのを受け、国内市場でも投資家が運用リスクを避ける姿勢が優勢だった。米国やオーストラリア、ブラジルなど世界各国で新型コロナ感染拡大が収束せず、経済活動の制限が再強化される動きも嫌気され、東京株式市場では朝方から売りが先行した。景気敏感株を中心に売りが出た。
国内でも東京都の新規感染者が連日100人を超えるなど感染拡大の収まる兆しがみえないことや、九州地方や中部地方など各地で豪雨被害が相次いでいることも投資家心理を下向かせた。
決算を迎える上場投資信託(ETF)の分配金を捻出する目的の売りについても、8日は3000億円規模で出てくるとの見方があり、次第に相場の重荷となった。
一方、新たな生活様式のなかで需要が見込めるIT(情報技術)関連銘柄などの一角には押し目買いも入り、日経平均は上昇に転じる場面もあった。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比128.08ポイント安の1万4056.45だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、14.48ポイント安の1557.23で終えた。ともに安値引けとなった。
市場では、企業の4〜6月期決算発表期を前に「手掛かり材料難」を指摘する声もあった。
東証1部の売買代金は概算で2兆1599億円。売買高は11億5596万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1686と、全体の8割近くを占めた。値上がりは420銘柄、変わらずは65銘柄だった。