前日の欧米株市場が総じて高く、米国株市場ではNYダウが600ドル近い上昇をみせたことで買い安心感が浮上、日経平均は前日とは打って変わって大きくリスク選好の流れに傾いた。早期の米利上げ懸念は既に拭えない状況にあるが、一方で景気回復に対する期待感から、景気敏感株を中心にリバウンド狙いの買いが流入し先物を絡めて戻り足を加速させた。
日経平均の上げ幅としては、前日の下げ分を完全に取り戻すことはできなかったが、値上がり銘柄数の多さが際立った。
幅広い銘柄が物色されて日経平均採用の225銘柄すべてが上昇し、東証1部の9割超の銘柄が上げた。前日の米株式相場の戻りを受け、「米金融緩和の修正観測を材料にした株安は過剰反応だった」との見方が浮上し、東京市場では前日に下げがきつかった景気敏感株を中心に買いが入った。
ただ、日経平均は戻り売りに上値を抑えられる場面もあり、前日の下げ幅(953円)を帳消しにはできなかった。
日本時間23日未明に控えるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を見極めたいとの雰囲気もあった。
市場では「米国の金融緩和の縮小が今後、具体的にどのように進んでいくかは完全には織り込んでおらず、しばらくは神経質な展開が続く」との声が出ていた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅反発した。TOPIXは60.08ポイント高の1959.53で終え、前日の急落を帳消しにした。東証業種別では、海運が10%高と突出した上げとなった。
東証1部の売買代金は概算で2兆7728億円だった。売買高は11億7325万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は2107、値下がりは69、変わらずは17だった。