新型コロナウイルスの治療薬の開発が進んだとの期待感から、経済活動の再開への思惑が広がった。前日の米国株の大幅反発を受け、リスクを取りやすくなった短期筋による先物主導の買いが上昇をけん引した。終値としては3月6日以来、約2カ月ぶりに2万円台を回復した。
米バイオ医薬品企業が開発した抗ウイルス薬が新型コロナウイルスに感染した患者に効果を示したとの発表を受け、「欧米の都市封鎖が解除されて経済活動が早期に再開される、との期待感が出た」という。
経済活動の早期再開に対する期待感はセクターごとの動向にも表れ、鉄鋼など景気敏感業種の上昇率が大きかった。一方で、景気に業績が左右されにくいとしてこれまで堅調さが目立っていた食品株などは下落した。
リスク許容度が高まったことで弱材料への耐性も強かった。民間が集計した中国の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)で好不況の境目である50を2カ月ぶりに下回ったものの、売り材料と捉える投資家は少なかった。
日本政府は5月6日までとしていた緊急事態宣言の延長に向け検討に入るなど、新型コロナの影響はまだ見通せない。決算発表が相次ぐが業績の先行き見通しを未定とする企業が相次ぎ、上値追いには慎重な声が多い。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前営業日比145.69ポイント高の1万3127.34だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、14.88ポイント高の1464.03で終えた。いずれも終値としては3月6日以来の高値だった。
東証1部の売買代金は概算で3兆584億円と3月31日以来1カ月ぶりに3兆円台に達した。売買高は17億1766万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1490と、全体の約7割を占めた。値下がりは630、変わらずは51銘柄だった。