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【大引け概況】
30日の日経平均株価は大幅に反発し、前営業日比422円50銭高の2万0193円69銭で終えた。
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新型コロナウイルスの治療薬の開発が進んだとの期待感から、経済活動の再開への思惑が広がった。前日の米国株の大幅反発を受け、リスクを取りやすくなった短期筋による先物主導の買いが上昇をけん引した。終値としては3月6日以来、約2カ月ぶりに2万円台を回復した。
 
米バイオ医薬品企業が開発した抗ウイルス薬が新型コロナウイルスに感染した患者に効果を示したとの発表を受け、「欧米の都市封鎖が解除されて経済活動が早期に再開される、との期待感が出た」という。
経済活動の早期再開に対する期待感はセクターごとの動向にも表れ、鉄鋼など景気敏感業種の上昇率が大きかった。一方で、景気に業績が左右されにくいとしてこれまで堅調さが目立っていた食品株などは下落した。
 
リスク許容度が高まったことで弱材料への耐性も強かった。民間が集計した中国の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)で好不況の境目である50を2カ月ぶりに下回ったものの、売り材料と捉える投資家は少なかった。
 
日本政府は5月6日までとしていた緊急事態宣言の延長に向け検討に入るなど、新型コロナの影響はまだ見通せない。決算発表が相次ぐが業績の先行き見通しを未定とする企業が相次ぎ、上値追いには慎重な声が多い。
 
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前営業日比145.69ポイント高の1万3127.34だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、14.88ポイント高の1464.03で終えた。いずれも終値としては3月6日以来の高値だった。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆584億円と3月31日以来1カ月ぶりに3兆円台に達した。売買高は17億1766万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1490と、全体の約7割を占めた。値下がりは630、変わらずは51銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は、鉱業、証券・商品先物取引業、鉄鋼、不動産業などが上昇率上位。下落は電気・ガス業、その他製品など。
 
個別では、景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。アルプスアルや安川電、横河電が上昇。日野自やスズキなど自動車も買われた。日電硝や板硝子など素材も強かった。
ソフトバンクGが小高く、ファーストリテ、リクルートHDは値を上げた。三菱UFJ、SBIは続伸。レーザーテックは年初来高値。東エレク、ファナックも上昇した。
 
半面、NTTドコモやKDDIなど通信の弱さが目立った。中外薬や武田などの製薬も売られた。トヨタが値を消し、SMC、任天堂、NTT、関西電は安かった。

東証2部株価指数は前営業日比104.08ポイント高の5674.98ポイントと3日続伸した。
出来高1億0438万株。値上がり銘柄数は307、値下がり銘柄数は124となった。
 
個別では、サイオス、ダイトーケミックス、広栄化学工業がストップ高。エス・ディー・エス バイオテック、明治機械、ケミプロ化成、本州化学工業、加地テックが買われた。
 
一方、西川ゴム工業が年初来安値を更新。アイスタディ、寺岡製作所、パシフィックネット、東京ボード工業、セキドが売られた。