前日の欧州株が全面安となったことや、米国株市場でNYダウが5日続落し連日の新安値となったことなどを受け、リスク回避目的の売りが継続した。日本時間あす未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表とパウエルFRB議長の記者会見を控えており、押し目に買い向かう動きは限定的。日経平均は300円を超える下げで取引を終え、ほぼ安値引けとなった。米国ではインフレに対する懸念が高まっており、FRBの金融引き締めが加速することへの警戒感が強く、東京株式市場でも市場のセンチメントが弱気に傾いている。
FRBは足元の物価上昇の勢いを受け、今回のFOMCで0.75%の利上げを決定するとの見方が急速に強まっている。「米金融引き締めの加速に警戒感が広がるなか、海外のヘッジファンドなど短期筋による日経平均先物への売りが下げを主導した」との声が聞かれた。
米金利の先高観と急速な利上げに伴う景気悪化の懸念が投資家心理の重荷となり、値がさの半導体関連株や機械株をはじめ幅広い銘柄に売りが出た。日本時間15日午後の米株価指数先物が次第に伸び悩んだのも投資家心理を弱気に傾かせた。
日経平均は上げに転じる場面もあった。日経平均は前日までの3営業日で1600円超下げていたためバリュエーション(投資尺度)面での割安感を指摘する声もあり、自律反発狙いの買いが入った。しかし米金融政策をめぐる不安は根強く、再び売りに押された。
市場からは「FOMCを控え、ポジションを落としているところに債券先物が急落し、一段安につながった。いずれにしろFOMCの結果次第だが、通過後に相場が落ち着くかどうかは不透明だ」との声が聞かれた。